芝の算数は、大問数だけを見ると5問です。したがって、一見するとそれほど量が多くないように感じるかもしれません。
しかし、実際にはそれぞれの大問の中に小問がいくつも含まれており、処理しなければならないことは少なくありません。計算問題、条件整理、割合、グラフ、場合の数、図形と、出題される内容も幅広く、ひとつひとつをていねいに進めていく力が求められます。
芝の算数は、極端に難しい問題で受験生をふるいにかけるというより、標準的な力をどれだけ安定して発揮できるかを見る試験です。ただし、標準的だからといって簡単ということではありません。問題文を正確に読み、条件を整理し、計算を確実に進める。その基本動作が雑になると、得点は思ったほど伸びません。
特に注意したいのは、最初の計算や小問集合での取りこぼしです。ここで時間を使いすぎたり、計算ミスを重ねたりすると、後半の問題に十分な時間を残せなくなります。逆に、前半を落ち着いて処理できる子は、後半でも余裕を持って考えることができます。
芝の算数では、「ひらめき」よりも「処理の正確さ」が大事です。問題文に書かれている条件を一つずつ拾い、図や表に整理し、式を立てていく。特別な解法をたくさん覚えるよりも、日頃からこの手順を崩さないことが大切になります。
また、小問数が多いということは、途中で気持ちを切らさない力も必要です。ひとつの大問の中で、前の小問の答えを次に使うこともあります。最初の小問を雑に扱うと、その後の問題にも影響することがありますから、簡単そうに見える問題ほど慎重に解く必要があります。
家庭での学習では、難問ばかりを追いかける必要はありません。むしろ、標準レベルの問題を解いたあとに、どこで条件を使ったか、どの計算をしたか、なぜその式になったかを確認する習慣をつける方が効果的です。答えが合っていても、途中があいまいなままでは、入試本番で少し形を変えられたときに対応できなくなります。
過去問演習に入ったら、時間配分にも気をつけたいところです。大問5問だからといって、単純に時間を5等分すればよいわけではありません。小問の数や計算量によって、かかる時間は変わります。まず解ける問題を確実に取り、時間のかかりそうな問題に入り込みすぎない判断も必要になります。
芝を目指す算数学習では、「難しい問題を解けるようにする」こと以上に、「取れる問題を落とさない」ことが大切です。計算をていねいに書く。図や表を使って条件を整理する。答えを出したあと、単位や聞かれていることを確認する。そうした当たり前の作業を、試験時間の中で安定してできるようにしていきましょう。
芝の算数は、派手な難問対策ではなく、ていねいに解き切る力で差がつく試験です。大問数に惑わされず、小問の多さと処理量を意識して、日々の学習を組み立てていくことが大切です。
