応用力をどうつけるか?

応用力は、たくさん解くだけではつきません

本郷の算数で必要になるのは、難しい解法をいくつも覚えることではありません。問題文を読み、条件を整理し、どの順番で考えれば答えに近づくのかを組み立てる力です。いわゆる応用力とは、知らない問題に出会ったときに、知っている考え方をどう使えばよいか判断できる力だと言ってよいでしょう。

そのためには、ただ問題数を増やすだけでは不十分です。もちろん演習量は必要ですが、解いて丸つけをして、次の問題へ進むだけでは、応用問題に強くなりません。大事なのは、一問を解いたあとに、「この問題は何を見抜かせる問題だったのか」「どの条件が決め手だったのか」「なぜその式になるのか」を本人が理解することです。

問題の構造を見る習慣をつける

本郷の算数では、文章題、図形、立体、グラフ、規則性など、条件を整理しながら進める問題が出ます。こうした問題では、最初から答えに飛びつくのではなく、問題の構造をつかむことが必要です。

たとえば文章題なら、何が一定で、何が変化しているのかを見る。水量の問題なら、全体の量、出す速さ、残りの量を分ける。図形なら、与えられた角度や長さの関係を図に移す。立体なら、見えている面だけでなく、重なりや切り口がどこにあるかを考える。規則性なら、最初の数例を並べて、どこが繰り返されているかを見る。

応用力がある子は、いきなり特殊な解法を使っているわけではありません。問題の中にある条件を整理し、「これは比で考える問題だ」「これは差に注目する問題だ」「これは場合を分ける問題だ」と、考える道筋を作っています。

解き直しで見るべきこと

過去問や応用問題を解いたあと、間違えた問題をもう一度解くだけでは足りません。解説を読んで分かった気になっても、次に似た問題が出たときに使えなければ意味がないからです。

解き直しで見るべきなのは、答えではなく、論理の組み立てです。最初に何を置いたのか。どの条件を使ったのか。なぜその順番で考えたのか。途中で出した数字は何を表しているのか。そこを確認してください。

特に、子どもが「解説を読めば分かる」と言う問題ほど注意が必要です。読めば分かるのは、解説の流れに乗っているからです。自分で解くときには、どの条件から手をつけるかを自分で決めなければなりません。応用力をつけるには、その入口の判断を練習する必要があります。

一問を深く使う

応用問題の練習では、十問を浅く解くより、一問を深く使う方が効果的なことがあります。解いたあとに、次の三つを確認してください。

一つ目は、問題の条件を自分の言葉で言い直せるか。二つ目は、最初に何を求めるべきだったか説明できるか。三つ目は、解法の流れを短く再現できるか。この三つができれば、その問題から学べることはかなり多くなります。

逆に、答えだけを覚えても力にはなりません。数字が変わったり、図の形が変わったりすると、すぐに解けなくなります。本当に身につけたいのは、その問題だけの解き方ではなく、条件の整理の仕方、着眼点の置き方、論理のつなぎ方です。

家庭でできる声かけ

保護者が応用問題を見てあげるときも、すぐに解き方を教える必要はありません。むしろ、「この問題で分かっていることは何?」「何が変わって、何が変わらない?」「最初に求められそうなものは何?」と聞いてあげる方が効果的です。

子どもが自分で条件を言葉にできるようになると、問題の見え方が変わります。分からない問題でも、手がかりを探す姿勢が出てきます。これが応用力の土台です。

本郷の算数対策では、問題数をこなすことだけを目標にしないでください。大事なのは、一問ごとに構造を理解し、論理の組み立てを自分のものにすることです。過去問を解くときも、正解か不正解かだけで終わらせず、「この問題は何を考えさせる問題だったのか」まで戻る。その積み重ねが、初めて見る問題に対応する力につながります。