塾のペースに流されすぎないために

塾の授業はどんどん進みます。宿題も多く、組分けテストもあり、気がつくと「塾についていくこと」そのものが目的になってしまうことがあります。

しかし、本郷を志望するのであれば、塾のペースにすべてを合わせるだけでは十分ではありません。もちろん、基礎を固め、塾のカリキュラムをこなすことは大事です。ただ、その一方で「本郷に向けて、今この子に何が必要なのか」を家庭で見ておく必要があります。

塾の進度と志望校対策は同じではない

大手塾のカリキュラムは、多くの学校に対応できるように作られています。したがって、ある時期までは幅広く単元を進め、知識や解法を増やしていくことが中心になります。

これはこれで必要なことです。ただし、志望校がある程度決まってくると、話は少し変わります。本郷を受けるのであれば、本郷の問題に向けて、どの力を厚くしておくかを考えなければなりません。

塾の成績が良いからといって、そのまま本郷の入試に合うとは限りません。逆に、塾の組分けで思うような結果が出なくても、本郷に向けた準備をきちんと進めれば、十分に戦えることもあります。

だから、家庭では「塾で今どこを進んでいるか」だけでなく、「本郷に向けて、何が足りないか」を見ることが大切です。

本郷に向けて見ておきたい力

本郷は、ただ大量に問題を処理するだけの学校ではありません。もちろん、基礎学力や処理力は必要です。しかし、それだけでなく、問題文を正確に読み、条件を整理し、自分で考えを組み立てる力が求められます。

算数であれば、式を立てる前に条件を整理できているか。国語であれば、本文の根拠をもとに答えを作れているか。理科や社会であれば、覚えた知識をそのまま出すだけでなく、問題の聞き方に合わせて使えているか。

こうした力は、塾の宿題をただ終わらせているだけではなかなか見えてきません。むしろ、家庭でノートを見たり、子どもに「どう考えたの?」と説明させたりすることで、初めて分かることが多いのです。

家庭で全部を教えようとしなくていい

ここで大事なのは、親が全教科を教える必要はない、ということです。

親の役割は、先生になることではありません。むしろ、子どもの勉強の様子を見て、「どこで詰まっているか」「どのミスが繰り返されているか」「説明があいまいなところはどこか」を見つけることです。

たとえば、算数の間違いを見たときに、すぐ解き方を教える必要はありません。

「どこまで分かっていたの?」
「この条件は使った?」
「なぜこの式にしたの?」

このくらいの問いかけで十分です。子どもが自分の考えを言葉にできれば、理解は深まります。逆に、説明できないところがあれば、そこが次に直すべきポイントになります。

塾の宿題を全部同じ重さで扱わない

塾の宿題は多くなりがちです。真面目な家庭ほど、出されたものを全部きちんとやらせようとします。しかし、それで子どもがただ処理するだけになってしまうなら、少し考え直した方がよいでしょう。

大事なのは、量をこなすことではなく、できなかった問題をどう直すかです。

特に本郷を考える場合、間違えた問題をもう一度見直し、「どこで読み違えたのか」「どの条件を落としたのか」「なぜその解き方を選んだのか」を確認する時間を残しておきたいところです。

宿題を終わらせることだけで一日が終わってしまうと、この大事な時間がなくなります。だから、家庭では塾の課題をすべて同じ重さで扱うのではなく、今の子どもにとって必要なものを見極める視点が必要です。

学校別対策は、過去問だけではない

学校別対策というと、すぐに過去問を解くことを考えがちです。もちろん、過去問は大事です。ただ、早い時期から過去問を大量に解けばよい、というものではありません。

その前に、問題文を正確に読む力、解き直しを自分で進める力、計算や知識の土台を安定させることが必要です。

本郷に向けた準備も同じです。いきなり学校別問題をたくさんやるのではなく、普段の学習の中で、本郷に必要な力を少しずつ意識していく。その方が無理がありません。

たとえば、塾の問題を解いたあとに、間違えた問題を一問だけ選び、子どもに説明させる。国語の記述であれば、本文のどこを根拠にしたのかを確認する。理社であれば、単なる暗記で終わらず、なぜそうなるのかを一言で説明させる。

こうした小さな積み重ねが、後の学校別対策につながります。

個別ワークスを使うなら、目的を絞る

家庭だけでは見きれない場合や、塾のペースと本郷対策の間にズレを感じる場合は、個別に調整する方法もあります。

ただし、個別指導を使う場合も、「全部見てもらう」という考え方はあまり効果的ではありません。むしろ、目的を絞った方がよいのです。

たとえば、算数の図形だけが不安なのか。国語の記述の根拠の拾い方が弱いのか。理社の知識はあるのに、問題に合わせて使えないのか。そういう具体的な課題を持ち込むことで、短い時間でも効果が出やすくなります。

個別ワークスは、塾の代わりにすべてを進めるためではなく、塾では埋まりにくい部分を調整するために使うのが現実的です。

まず見るべきは、直近のノート

本郷対策といっても、最初に特別なことをする必要はありません。まず見てほしいのは、直近の塾の小テストや宿題のノートです。

そこに、同じようなミスが出ていないか。問題文の読み落としがないか。式だけ書いて、考え方が残っていないか。直しが赤で答えを書いただけになっていないか。

こういうところを見ると、今の課題がかなり分かります。

そして、直すことは一つでかまいません。今週は計算ミスを減らす。今週は問題文の条件に線を引く。今週は間違えた問題を一問だけ説明する。そうやって小さく修正していけばよいのです。

塾のペースに流されすぎると、家庭学習はどうしても忙しくなります。しかし、本当に大事なのは、子どもが自分で考え、直し、次につなげていくことです。

本郷を目指すのであれば、塾の進度を追いかけるだけでなく、家庭で子どもの学び方を見ていく。その視点を早めに持っておくことが、後の学校別対策をずいぶん楽にしてくれるはずです。

個別の添削や指導が必要な場合は、邦学館 個別ワークスをご利用ください。