本郷に合う子か、家庭で見ておきたいこと

本郷を考えるとき、どうしても塾の組分けや偏差値が気になります。

もちろん、学力の目安としては大事です。今、どのくらいの位置にいるのか。あとどの教科を伸ばさなければいけないのか。そういうことを考える材料にはなります。

ただ、それだけで「本郷に合うかどうか」は決まりません。

学校には、それぞれの空気があります。校舎の雰囲気、生徒たちの様子、先生との距離感、行事や部活の熱量。そういうものは、偏差値表には出てきません。

特に男子校の場合、子どもによって居心地の感じ方がかなり違います。にぎやかな雰囲気を楽しいと思う子もいれば、少し距離を置いて自分のペースで過ごしたい子もいる。どちらが良い悪いではなく、その子に合うかどうかが大事なのです。

塾のクラスと学校生活は別に考える

塾の組分けは、あくまで塾の中での位置を示すものです。

上のクラスにいれば安心、下のクラスなら無理、ということではありません。塾のテストは、広い範囲から標準的に力を見るために作られています。一方で、実際の入試は学校ごとに問題の作り方が違いますし、入学後の学校生活はさらに別の話です。

だから、本郷を志望校として考えるなら、塾のクラスだけで判断しない方が良いでしょう。

今の成績で足りない部分は、これから埋めていけば良い。大事なのは、子ども自身が「ここでがんばってみたい」と思えるかどうかです。

学校に行って、子どもの反応を見る

説明会や学校見学に行ったら、親が情報を集めすぎるより、子どもの反応をよく見てください。

校舎に入ったときの表情。生徒たちを見たときの感じ方。先生の話を聞いているときの様子。帰り道に何を話すか。

「良かった?」「ここに行きたい?」と急いで聞くよりも、少し具体的に聞いた方が良いでしょう。

「生徒たち、どんな感じだった?」
「先生の話は聞きやすかった?」
「部活の雰囲気はどうだった?」

こういう聞き方をすると、子どもなりの印象が出てきます。

親が先に「良さそうだったね」と結論を言ってしまうと、子どもはそれに合わせてしまうことがあります。まずは、本人がどう感じたかを聞くことです。

通学も大事な条件になる

見落としがちなのが通学です。

入試の日だけなら多少遠くてもがんばれます。しかし、入学すれば毎日のことになります。朝の電車、乗り換え、帰宅後の疲れ方。これは思った以上に学校生活に影響します。

本郷に通うことを考えるなら、一度は実際の通学時間に近い形で動いてみると良いでしょう。駅から学校まで歩いてみるだけでも、子どもにはかなり具体的な実感が残ります。

学校選びは、入るまでの話だけではありません。入ってから6年間通う場所を選ぶということです。

親は決めるより、見る

志望校選びで親がすべきことは、子どもの代わりに決めることではありません。

もちろん、情報を集めるのは親の役目です。入試日程、問題傾向、通学時間、併願校の組み方。これは子どもだけでは判断できません。

しかし、「合うかどうか」は、子ども自身の感覚も大事にした方が良い。

親から見れば良い学校でも、本人がどうしても気が進まない場合があります。逆に、親がまだ迷っていても、子どもが強く惹かれることもあります。

そのとき、偏差値表だけで切らないことです。

本郷に入りたいという気持ちがあるなら、その気持ちは勉強を進める力になります。志望校がはっきりしてくると、過去問に向かう意味も、苦手分野を直す理由も見えてきます。

学校別の準備は早めに考える

ただし、気持ちだけでは入試は越えられません。

本郷を受けると決めたら、やはり本郷の問題に合わせた準備が必要になります。塾のカリキュラムをこなすだけでは、学校ごとの出題の違いに気づくのが遅くなることがあります。

過去問を何年分も急いで解く必要はありません。しかし、どんな問題が出ているのか、どの教科で差がつきやすいのか、本人の弱点とどう重なるのかは、早めに見ておいた方が良いでしょう。

塾の組分けで一喜一憂するより、志望校から逆算して、今やるべきことを整理する。その方が、家庭の迷いは少なくなります。

本郷に合うかどうかは、偏差値だけではわかりません。

学校に足を運び、子どもの反応を見て、通学の現実を確かめる。そのうえで、入試に必要な力をどう作るかを考える。

親は決定者というより、観察者であり、支援者です。子どもが「ここでがんばりたい」と思える学校を見つけ、その気持ちを勉強の力に変えていくことが、志望校選びでは一番大切なのだと思います。

個別の添削や指導が必要な場合は、邦学館 個別ワークスをご利用ください。