豊島岡を目指すうえで大事なのは、塾の指示をきちんとこなすことだけではありません。もちろん塾のカリキュラムは大切ですが、それに従っているだけで力が伸びるとは限らない。むしろ、家で見ておきたいのは、子どもが自分で問題に向かい、自分で直し、自分で次の課題を見つけられるかどうかです。
豊島岡は、入学後も勉強の密度が高い学校です。与えられたことを待つだけではなく、自分で考えて動く力が必要になります。だから受験勉強の段階でも、「言われたことをやる勉強」から「自分で進める勉強」へ、少しずつ切り替えていくことが大事です。
自分で手を動かして考える
豊島岡を考える場合、家庭でまず見たいのは、問題に向かったときの動き方です。
わからない問題に出会ったとき、すぐに「わからない」と言って止まってしまうのか。それとも、条件を書き出す、線を引く、図にする、別の解き方を試す、という動きがあるのか。
成績が伸びる子は、最初からすべて解けるわけではありません。ただ、止まったときに何かを試します。ここが大事なのです。
家庭で見るポイント
親が長時間横について教える必要はありません。むしろ、見る時間は10分から15分で十分です。その中で、次のようなところを確認します。
まず、取りかかりが早いか。机に向かってから、何をするか決まらずに時間が過ぎていないか。自分で今日やることを言えるかどうかは、自習力を見る大事なポイントです。
次に、間違えた後の直し方です。答えを写して終わり、赤で直して終わりでは力になりません。「なぜ間違えたのか」を一文で言えるか。計算ミスなのか、条件の読み落としなのか、考え方の勘違いなのか。そこを自分で分けられるようになると、同じミスは減っていきます。
もうひとつは、説明できるかどうかです。解けた問題でも、「どう考えたの?」と聞かれて一言も言えない場合、理解が浅いことがあります。長い説明はいりません。二、三行で自分の言葉にできれば十分です。
親が全部教えない
家庭で気をつけたいのは、親が先回りしすぎないことです。
わからないところをすぐに教える。間違いを全部直してあげる。予定を全部決めてあげる。これを続けると、子どもは楽になりますが、自分で考える機会は減っていきます。
親の役割は、答えを教えることよりも、考える入口を作ることです。
「まず何を見ればいい?」
「どこで間違えたと思う?」
「次に同じ問題が出たら、何に気をつける?」
このくらいの短い問いかけで十分です。長い説教より、短い確認を続ける方が効果があります。
塾のペースに流されすぎない
塾の組分けやクラスは気になるでしょう。しかし、それは塾の中での評価です。豊島岡に向けた力がついているかどうかは、また別に見なければいけません。
特に、課題をたくさんこなしているのに成績が伸びない場合は、量ではなく勉強の仕方を見直す必要があります。解きっぱなしになっていないか。直しが形だけになっていないか。自分で改善点を見つける時間があるか。
過去問や学校別の問題に早くから大量に取り組む必要はありません。ただ、豊島岡に向けて必要な「自分で考える」「自分で直す」「自分で説明する」という形は、早めに作っておいた方が良いのです。
まず今日からできること
今日できることは簡単です。
勉強を始める前に、「今日は何をできるようにするのか」を子どもに言わせる。終わったら、間違えた問題を一つ選び、「なぜ間違えたのか」を一文で書かせる。それだけで、勉強は少し変わります。
豊島岡を目指すなら、早い段階から自分で勉強する形を作っておくことです。塾に通うことと、自分で勉強できることは同じではありません。最後に力を伸ばすのは、自分で考え、自分で直していく子です。
